とと姉ちゃん|暮しの手帖の商品テストは消費者のためではなかった!

 

朝ドラ『とと姉ちゃん』では、常子や花山の雑誌「あなたの暮し」の

商品試験のコーナーが読者に大いにウケて、連載の目玉になっていきます。

 

当時は世の中に粗悪品が氾濫しており、製品や製造メーカーを実名で挙げて

良し悪しの判断をするこの企画は消費者にも大きな影響を与えることになります。

 

周知のとおり、この商品試験は「暮しの手帖」商品テスト

モデルとしています。

 

そして指揮をしていた花森安治のもと、厳格で公正なこのテストは

取り上げられた商品の売れ行きを左右するなど、社会的にも大きな影響を

及ぼしました。

 

そのため消費者の日常生活の向上に大いに貢献したのですが、

実はそもそも商品テストは消費者のためのテストではなかったのです。

 

商品テスト

 

コンテンツ

暮しの手帖の商品テストは消費者のためではなかった!

 

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結果的には消費者の暮しに大きな貢献をした商品テストでしたが、

花森安治曰く、消費者のためにはじめたものではなく、

実はメーカーなどの生産者のためにはじめたものでした。

 

当時の日本には粗悪品が多く、また誇大広告も日常茶飯事で、

買ってみたら宣伝の内容とは違ったなんてことも日常的だったのです。

 

しかもそのような粗悪品の数や種類は膨大で、とてもではないですが

消費者側が「見る目を持つ」というのは不可能な状態。

 

そのため花森ら暮しの手帖編集部は、そもそも社会から壊れやすいものや

役に立たないものを追放することこそが重要で、メーカーがそのような商品を

作らなければよいというのが着眼点だったのです。

 

つまり同誌の商品テストは生産者への意識の喚起付けが根本にあったのですが、

当時は生産者の安全や健康に対する意識は低く、驚くほどの粗悪品が

世の中に出回っていました。

 

その一例をご紹介しますが、現在では信じられないほどの内容です。

 

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(成分の不当表示)

「天然果汁入り」の表示の粉末ジュースの9割以上が無果汁だったなど

 

(禁止添加物の使用)

漬物に食品添加物として認められないタール系の色素が使用されていたなど

 

(有毒物質を含む製品)

乳児用の食器からホルマリンが検出されたなど

 

(著しく劣悪な性能)

発煙、発火する電化製品など

 

このあたりは挙げたらキリがないのですが、当時は本当に酷い粗悪品

世の中に溢れていました。

 

当時はちょうど高度経済成長期に入っており、国民の消費力も

大きくなったことから、「作れば売れる」の状態です。

 

そのためできるだけ利益をあげるために粗悪な製品を作って、

誇大広告で売るスタンスをとる生産者が後を絶たなかったのです。

 

そのため電化製品なども「壊れるのは当たり前」という意識を

多くの消費者が持っていましたが、まさにそれは現在のあの隣国などの

状況に似ていますね。

 

当時は「日本製」よりもアメリカやヨーロッパの製品が高品質とされたのも

頷けますね。

 

しかしそれでもソニーやナショナル(現パナソニック)などの

高品質にこだわったメーカーの努力などもあり、

現在の高品質の代名詞とも言える「日本製」のブランドが確立されていきます。

 

そしてこれらメーカーや生産者の意識づけに大きな貢献をしたのも、

「暮しの手帖」の商品テストです。

 

このような経緯に鑑みれば、同誌の商品テストは庶民生活の向上に貢献

したことはもちろんのこと、日本製の地位の向上にも大いに影響を与えた

といえるでしょう♪

 

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